わが北鎌尾根、剱岳よ おちこちの山 楽山社
はじめに
”僕らと私達の試み”をお届けします。ホントにお待ちどう様!登れるってこと、歩けることは、なんと素晴らしいことか!
北鎌尾根(槍ガ岳)−剱岳−南アルプス−北ア・後立山連峰なる天上界に、無心に嬉々として遊ぶ童子、童女たち。
はじめ、処女作の統一テーマは「北鎌尾根」一本槍でした。当然の顔をして「剱岳」が加わり、さらに「彼方此方(オチコチ)の山」が連なりました。みな持味ゆたかな作品です。
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僕らは一流アルピニストでもなく、気取る齢でもありません。が、山を慈しむ気持ちはおんなじです。がむしゃらな力もありませんが、結構、敢闘精神の持主でした。
献身性と優しさが一つ心となり、山という絶対的存在のフトコロの中で歩を進めました。急がず、休まず、仰ぎ見ず。坪山リーダーが、しっかりと小舟の舵取りをしてくれました。”ぼつぼつ叙情的登山に切り替えたい”という喘ぎがきこえ始めたのも事実です。
× ×
一見、地味な僕らの小舟ですが、謙虚で素朴、豪気で沈着なクルーは、並みではありません。キラキラした青春の記憶を密封した宝船には、逞しい漕ぎ手たち。
やがて訪れるであろう冬の日、山嶺に射す旭光も淋し気に、友を偲ぶ心の打ちふるえる時、生きた証として煌めく私達の試みの「結晶」に幸あれ!
合 掌
平成2年3月
篠宮編集子
はじめに
目 次
第1部 北鎌讃歌
ありし日の北鎌尾根 坪山 晃三 8
北鎌分裂症行進曲 原田 祥子 15
北鎌、女ひとり 坪山 淑子 50
北鎌尾根を行く 相田 浩 76
私の槍ヶ岳 楊 雪来 87
幻の北鎌尾根 篠宮 良幸 96
北鎌尾根への近道「トシコ沢」 坪山 淑子 121
第2部 劔岳鑽仰(サンギョウ)
(E872)
剱岳鑽仰(サンギョウ)
古代剱山(タチヤマ)に懐う 白川 長 128
剱岳に魅せられて 坪山 晃三 130
天界に遊ぶ 篠宮 良幸 140
剱岳−あの日見た不思議な現象 原田 祥子 144
私と剱岳 坪山 淑子 150
人と山 剱岳初登の感慨 陳 喬喬 161
出会い(人と山と酒) 高橋 民枝 167
剱岳−ブリザードの中の単独行 宮下 功 181
長次郎雪渓を登る 相田 浩 191
天外の花 九首 原田 祥子 197
おちこちの山
鳳凰三山初山紀行 渡部 明美 204
ワタナベ ハルミ
白峰三山縦走 相田 浩 218
ある遭難さわぎ 坪山 晃三 222
平成元年秋の後立山連峰で
○若干の資料
T 「立山」−−深田 久弥 230
U 中央線から見える槍・穂高 238
V 五九峰の標高が伸びた 240
W トレッキング・イン・ネパール 山田チエ子 243
(抜粋)
あとがき